岩手県滝沢市・盛岡市では、伝統行事「チャグチャグ馬コ」の保存事業を行っています。
岩手県は奈良時代の頃より有名な馬産地で、大型で優秀な「南部駒」の産地としても知られていました。馬と人のつながりが深い地域で、例えば「南部曲り家」に代表されるように、馬と人が一つ屋根の下で暮らし、馬コ(うまっこ)は貴重な労働力として、家族の一員として大切に育てられていました。「チャグチャグ馬コ」 は、馬コの一年の労をねぎらい、無病息災を祈願する神事です。

「チャグチャグ馬コ」 は、毎年6月の第2土曜日に開催されます。
100頭前後の馬コが、色鮮やかな装束で飾られ、まず馬の神様が祀られた滝沢市の「鬼越蒼前神社」をお参りします。その後14km離れた盛岡市の「盛岡八幡宮」まで4時間ほどかけて行進します。
馬コが歩くたびに、装束に付けられた700個とも言われる鈴が「チャグチャグ」という音を奏でます。この鈴の音は、環境省の「残したい“日本の音風景100選”」に選定されています。